副業をしたいけど……
以前の記事で「将来の不安」=「お金の不安」を無くすために、副業をすることをオススメしました。
実際、給料が上がらない、出るはずのボーナスが出ないなど、収入面で不満を抱える人のほとんどは、不満解決の手段として副業を考えています。
本業だけでは生活が苦しい!?--55%が「副業を考えた事がある」
ですが、独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成21年に行った「副業者の就労に関する調査」によると、「副業をしている人」はたった8.1%。
副業をしたいと考えている人は多いのに、実際に副業をしている人は10人に1人もいないのです。
さらに、経済産業省が調査した「平成26年度 兼業・副業に係る取組み実態調査事業 報告書」によると、兼業・副業を認めていない企業は85.3%と圧倒的多数を占めます。
昨今は副業を解禁する企業や、むしろ副業を奨励する企業も増えつつあります。
しかし、まだまだ日本社会の大部分は副業を容認していません。
「企業が副業を容認しない」
私はこれこそが副業をする上での最初の大きな壁であり、多くの人が副業をしない理由になっていると考えます。
なぜ会社は副業を禁止しているの?
日本の会社の多くは、就業規則によって副業が禁止されています。
ですが、実は憲法や労働関連の法律では副業に関する規定はありません。
会社が副業を禁止していたとしても、それに法的拘束力は無い、つまり、法律で副業は禁止されていないのです。
それなのになぜ会社は副業を禁止しているのか?
以下の2点がその理由として考えられます。
本業に支障をきたすから
これに関してはある程度同意できますね。
- 副業に時間を割きすぎて本業の仕事に集中できない。
- マルチ商法に手を出す、反社会勢力とつながりを持つなど法に触れるような副業を行い、本業のイメージを貶める。
- 本業の情報を副業に利用する、外部に持ち出すなどの情報漏えい。
副業でこのような行為をすれば、確かに本業に支障をきたすことになります。
しかし、遅くまで残業をすることで翌日の仕事に影響が出ることもありますし、FacebookやTwitterで会社の悪口を書けばイメージも悪くなります。
飲み会でついうっかり会社のことを大声で話してしまえば、それが情報漏えいにつながることもあります。
つまり、副業だけが本業に支障をきたす要因になるわけではない。
「本業に支障をきたす」という理由は、副業を禁止する決定的な理由にはならないのです。
昔からそうだから
これは無視していい理由だとわかりきっていますよね。
日本は終身雇用制度によって、一度会社に入ればその会社に一生お世話になり、その会社のためだけに頑張り、その会社からお給料を貰うという生き方が根強く残っています。
特に昔からある会社、上の世代はその考えが染み付いています。
しかし、そんな時代にそぐわない古臭い考え方は、私達若者世代には関係ありません。
というか、むしろそんな生き方はできない時代であると言ってもいいでしょう。
不況、増えない収入、不安定な雇用といった状況により、終身雇用制度は崩壊したも同然なのですから。
副業が会社にばれるとどうなる?
「副業禁止の会社で副業をしていることがばれると解雇される」
こんな心配をしている人がいますが、まずそんなことにはなりません。
上記したように、会社の副業禁止には法的な根拠はないのですから。
しかし、過去に起きた裁判で、副業を理由に解雇処分されたことを不当とする判例もある一方、妥当とする判例があったことは事実です。
不当か妥当かの判断は、「本業にどれほどの影響があったか」が判断基準のひとつになっています。
副業によって本業に支障が出ていたという事実があれば、解雇や減給等何らかの処分が下される可能性はあるのです。
また、会社から処分が下らなくても、人間関係に影響が出ることがあります。
会社の同僚から嫉妬されるかもしれません。
例:「副業で人より懐に余裕があるんだから呑み代奢ってよ」
上司から嫌みを言われるかもしれません。
例:「副業なんかしているから成績が悪いんじゃないのか?」
こんな不快な出来事があるかもしれません。
さすがにこのような露骨に嫌らしい言い方をする人は稀だと思いますが、お金は人を狂わせるとも言います。
なるべく副業のことは他人には言わないほうが懸命でしょう。
副業はどのようにばれる?
副業をしていることを誰にも言わなかったとしても、副業がばれることがあります。
副業がばれる経緯は以下の2つです。
住民税からばれる
これについては、副業で得た収入の確定申告をする際、確定申告書の「第二表」に「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」という枠の「自分で納付(普通徴収)」欄にチェックをすれば問題ない。
と一般には言われていますが、それだけではまだ会社にばれる可能性があります。
その理由は、上記の方法は“給与所得”以外の住民税の納付方法だからです。
アルバイトなどで得る収入は「給与所得」なので、仮に確定申告の際普通徴収にチェックを入れていても、本業の給与所得と一緒に本業の会社へ報告されてしまう可能性があります。
これを防ぐためには、自分の住む市町村の役所に「アルバイトの給与所得だけ自分で直接納付したいのですが……」と聞いてみなければわかりません。
「できます」と言われればいいのですが、もし「できない」と言われたら、副業はばれるものと覚悟するしかないでしょう。
ですが、これが譲渡所得である投資、雑所得であるネット副業であるなら、普通徴収へチェックさえすれば問題ありません。
会社の人間が探ってばれる
意外にこの経緯で副業がばれる可能性は高いそうです。
人目に触れないように副業をし、なおかつ誰にも副業のことを話していない。
そんなやり方でもばれるのは、会社の人間があなたが副業をしていないかどうか探っているからです。
人には言っていなくても、FacebookやTwitterなどに実名で副業のことをつぶやいているかもしれません。
また、FacebookやTwitterをしていなくても、ネットで名前を検索すればブログやサイトがヒットし、管理人のプロフィールからばれる、なんてこともありえます。
副業がばれるのを防ぐためには、アナログ・デジタル両方の対策が必要なのです。
まとめ
調べた結果、
会社の副業禁止の規定には法的拘束力は無いが、本業への支障の大きさによっては処分の対象になりえること。
会社に副業がばれないためには、税金と人の目を気にすることが重要なこと。
がわかりました。
副業の種類、給料の貰い方によって税金がどのように徴収・通知されるかは様々です。
ですので、税金については専門家である税理士や税務署、役所の担当部署に聞くのが最も確実です。
また、マイナンバーが導入されたことで副業がばれるのではないかと心配する人がいます。
しかし、マイナンバーは行政サービスや社会保障、納税等の手続きの効率化、負担の公平化を図ることが目的です。
直接会社に副業のことを知らせるような仕組みではないので、マイナンバーによって副業がばれる危険性は少ないと考えられます。
ですが、まだマイナンバーは始まったばかりで、今後どうなるかはわかりません。
マイナンバーと副業の関係は今後も気をつけておいたほうがいいでしょう。
いくら完璧に隠していても、何らかのきっかけで副業をしていることがばれることはあるそうです。
確定申告に関しても、昨今では全国的に「特別徴収」を徹底する自治体が増えており、今後広まっていく動きがあります。
つまり、確定申告の際に「普通徴収」をチェックしていても、「特別徴収」される可能性があるのです。
また、単純に役所の担当者がミスをする場合も多くあるそうです(ほとんどの人は税金を「特別徴収」されていますからね)。
そうなった時を想定し、自分なりの対策(『自宅の古い本を大量に処分したら希少なものがあって、高値で売れたので確定申告をした』というような言い訳など)や心構えをしておくと、いざ副業がばれた時に慌てずに対処できるでしょう。
こんにちは、HIROです。
確かに最近副業する人が多くなってきてますよね。というのもやはり将来に不安があるからだと思います。かといって、超長時間労働で副業もできない生活をしている人もいます。そんな人を一人でも多く救ってあげることができればと思う今日この頃です^^;
コメントありがとうございます。 本業の給料だけでは満足に生活できない人が多い今の世の中では、副業をするのは避けられないのかもしれませんね。私も、様々な事情で副業をするのが厳しい人たちの助けになることができればと思います。
たちばなさん、はじめまして。
とても興味深い内容でした。
今年は政府も副業を推進しだしましたので、これからは副業がしやすくなるかと思われますが、まずは企業が副業への考え方を考えないとなかなか堂々と会社員の方がされるのは難しンでしょうね。
会社側の考えは、副業によって本業がおろそかになることを恐れていますから。
でも、お給料が上がらない今の世の中ではやはり副業をしないと何かとしんどいでしょうね。
為になるお話ありがとうございました。
また勉強しに来ます。
コメントありがとうございます。 確かに、今も多くの企業は副業にマイナスイメージを抱いているように思われます。副業をすることは本業にも少なからずメリットのあることなので、今後はもっと社会に副業が広まっていいってほしいですね。
副業を禁止し続ける時代ではないですよね。
給料上がらないし、いつどうなるか?分からないご時世ですので。
確かに、同僚にばれると仕事がしづらくなる、があるので、注意必要かと思っています。
でも、その前にしっかり稼げるようになることですね。
将来、この記事の有難みを感じられるように頑張ります。
コメントありがとうございます。仰るとおり、副業を持つことはこれからの時代のスタンダードになっていくと思います。しかし、今はまだ副業を認める価値観が浸透していません。余計な面倒を起こさないためにも、しばらくはこっそり副業をするのがベストですね。
たちばなさん、こんばんは!
企業も少しづつ副業を許可していると話を聞きますが
まだまだ難しいですね。
確かに、本業に支障きたしては問題がありますが
する人の意識の問題も関係してくるのでは?
と思います。
今の世の中だと、将来の不安は大きいので
できることなら早く副業を認めて欲しいものです。
コメントありがとうございます。確かに、株式会社エンファクトリーさんのように、「専業禁止」を掲げるユニークな会社さんも世の中に現れてきています。そこまではいかずとも、副業を認める企業が多くなって欲しいものですね。