若者の不安第1位 それは「年金」
この記事によると、20代の若者の不安第1位は「年金」となっています。
具体的には、
「年金制度は破綻すると聞くけどどうなの?」
「自分達は年金をいくらもらえる?」
「今の上の方の世代に比べて自分達の受給額は減らされるのでは?」
といったことが不安になっているようです。
この中でも特に、「年金制度の破綻」を不安に思っている人は多いでしょう。
これに関しては有識者の間でも意見が分かれているようで、「破綻する派」「破綻しない派」で激しく論争が繰り広げられています。
両者の主張
ここで、簡単に「破綻する派」「破綻しない派」のそれぞれの主張の根拠を見てみましょう。
「破綻する派」の根拠
- 政府の前提が甘すぎる。この前提では制度の抜本的改革も遅れ、年金制度は早晩破綻する。
- 年金制度が維持されたとしても、十分な生活ができない額しか支給されない、負担した保険料よりも受給額のほうが少ない状況になったとしたら、それは実質的には破綻している。また、インフレが起きた場合、年金の価値そのものが下がっている可能性もある。
- 年金の積立金は現実的な条件で試算すると、政府の想定よりも早く枯渇する。
- 日本の高齢化が年金制度開始時より大幅に進んでいる。1960年の時点では、65歳以上の高齢者1人に対し、11.2人の現役世代が支えている計算だった。しかし、2011年の時点では支える現役世代は2.7人。2050年には1.3人になると予測されている。
「破綻しない派」の根拠
- もし破綻したら、国は国民の老後の生活費を全て保障しなくてはならない。そうなれば、莫大な金額が必要になる。だから、国は何としても年金制度を維持しようとする。
- 年金が破綻する時は日本が破綻する時。現実的に考えてそういった事態は考えにくい。
- 基礎年金は半分が国庫負担、つまり、税金でまかなわれている。だからこそ払った保険料以上の額が受け取れる。
- 保険料の未納者が多いという意見があるが、それは第1号被保険者(自営業者、フリーター、学生など)の話であって、年金加入者全体で見れば未納者の割合は5%に満たない。
上記のように「破綻する派」「破綻しない派」の意見を上げてみると、どちらの意見も説得力があり、どちらが正しいと一概に決めることはできません。
そもそも「年金の破綻」って何?
ここで一度根本的な部分を考えてみましょう。
それは、
そもそも「年金の破綻」というのはどういった状態を言うのだろうか?
ということです。
年金が1円も支払われない、制度自体が無くなるという事態になれば、それは紛れも無く「破綻」と呼べるでしょう。
しかし、「破綻する派」の根拠で挙げたように、インフレが進んでお金の価値が下がったとか、最低限の生活をするのに不十分な額しかもらえないといった事態でも「破綻」と捉える人もいます。
このことから、一口に「年金の破綻」と言っても、捉え方によって状況が違ってくるということがわかります。
年金保険料は払わないほうがいい?
「破綻する派」の意見を重く受け止め、年金保険料を払わない人達がいます。
主に第1号被保険者(第2号被保険者である会社員・公務員は通常、強制的に払わされます)の人達で、その内約4割の人が年金保険料を支払っていないとされています。
この人達の考えは、
「どうせ年金が少なくなる、もしくはもらえなくなるなら、年金保険料を払っても損になるだけだろう」
といったものです。
しかし、実は年金保険料を払わないほうが損をしているのです!
年金保険料を払わないと損になる5つの理由
- 年金はその時代の賃金や物価に応じて額が調整され、経済状況が変化しても、年金の価値は保証される。
- 障害年金、遺族年金もあるので、自分に万が一のことがあった時の備えになる。
- 財源は税金でカバーされているため、年金を受け取らないということは、自分の払った税金を無駄にしているということになる。
- 払った年金保険料は控除の対象になる。
- 医療の進歩により、これからの時代はますます長く健康的な老後を過ごすことができるようになる。つまり、死ぬまで受給できる年金は、長く生きれば生きるほど得になる。
上記の理由から、年金保険料を払わないということは逆に損をすることになる。と言うことができます。
「年金」は今後どうなる?
「破綻する派」「破綻しない派」の共通の予想として、「年金制度は現状のままではすまない」という予想があります。
まず、受給年齢は引き上げられる可能性が高いです。
先進国の多くが、年金をもらえる年齢を60歳台後半に引き上げています(例:アメリカは67歳、イギリスは68歳に設定されています)。
日本は高齢化が急速に進んでおり、年金財政も厳しいため、将来引き上げられることは不可避であり、早ければ10年以内に引き上げられるという見方もあります。
また、保険料の負担が増え、受給額の引き下げも起こることが予想されるため、老後を年金に頼るという従来の老後の生き方を実践するのは難しくなっていくでしょう。
「下流老人」と言う言葉が流行ったように、老後に生活が破綻することも十分考えられるのです。
ちなみに、「破綻する派」の予測では、早ければあと25~30年で年金は破綻すると言われています。
しかし、これは年金制度が現状のままだったら、という前提での話です。
問題点は以前からハッキリしていますし、政府の改善策もいくつか挙げられているようです。
なので、今後、年金制度が改善される可能性は十分にあります。
まとめ~結局、自分達はどうしたらいいの?~
調べた結果、年金制度の完全な破綻は考えにくいということがわかりました。
受給年齢の引き上げ、保険料の負担増、受給額減といった心配はありますが、きちんと年金保険料を支払っていることで得られるメリットもあります。
また、年金の不安に対し、国が改善策を講じるのを期待するだけでなく、私達にもできることがあります。
それは、年金「だけ」に頼ろうとせず、自分達で備えをしておくことです。
- 納めるべき保険料はきちんと納め、+αで企業年金や個人年金、投資や定期預金での貯蓄といった方法でお金を用意しておくこと。
- 自分自身を高め、大切にすること。今後も収入を得られるよう、仕事の経験を積み、スキルを磨き、病気や怪我に悩まされないように健康的な生活を送ること。
この2つを意識しておけば、将来「下流老人」にならずに済むでしょう。
おはようございます。
私はこれまで年金の仕事に携わってきました。
<年金保険料を払わないほうが損をしている>そのとうりだと思います。
突然バイクで転んで障害をおわれ、働きたくても働けない場合や
働き盛りに倒れた場合も障害年金は子供の扶養手当も出ますし、
終身保険なので安心です。
あっ、回し者ではありません(^^ゞ。携わってきて感じたことです。
<年金「だけ」に頼ろうとせず、自分達で備えをしておくことです>
には私も賛成です。
コメントありがとうございます。年金の仕事に携わってきた方にそう言っていただけると大変心強いです。やはり、年金はもしもの時のために払っておき、それに+αとして自分なりの備えをするのが大切ですよね。
こんにちは。
sa-chiといいます。
年金については、貰えるのか貰えないのかほんとに心配ですね…
払っていればいくらかは貰えるとは思いますが、受給年齢があがってしまうとその年齢前に定年となってしまった場合困ってしまいますよね…
年金にたよらず、定年してから受給年齢までの間の生活費を考えておくのもこれからは必要になってくると私も思っています。
コメントありがとうございます。このご時勢、やはり年金の不安を抱えている方は多いみたいですね。だからこそ、しっかりと備えをしておくことが重要なんだと思います。
こんにちは。
私も年金は破綻しない派だったのですが、確かに破たんはしないけどそれだけには頼れないという表現がピッタリになってしまうようですね。
「下流老人」にならなくて済むように、今のうちに何か手を打つ必要性を非常に感じました。
コメントありがとうございます。年金「だけ」に頼るのは危ういというのは忘れてはいけませんよね。つらい老後を生きなくて済むように今からしっかりと備えておきたいものです。