親の介護の不安に備える

目安時間:約 12分

「親の介護」は子供の義務?

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直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。(民法第877条

 

法律上、親の介護・扶養義務は実子にあります。

これは扶養、つまりお金を出す必要があるという意味であり、直接介護をしなくてはいけないということではありません。

介護施設に入れる、ヘルパーさんを雇うといった方法で介護をするのは問題ないのです。

 

ですが、私達が「親の介護」を考えなくてはいけないことは変わりません。

 

現在、20代である私達の親世代の年齢は、大体40代後半から60代前半くらいです。

おそらくまだまだ元気に働いており、介護など20~30年は先のことと考えているかもしれません。

しかし、今は元気な自分の親も、いつか介護が必要になる時がくるかもしれないのです。

 

やっかいなことに、その時は突然やってきます。

 

いざその時になってから慌てず済むよう、若いうちから少しだけ「親の介護」について考えてみましょう。

 

親の介護費用は親のお金から出すのが基本

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まず、「介護の不安」として真っ先に挙げられるのは、現実的な問題である「費用」、つまり介護費用についての不安です。

しかし、私達が全額を負担する必要はありません。

 

親の介護費用は親のお金から捻出する。

 

これが介護費用の基本方針です。

なぜなら、私達の親世代は私達以上に社会保障(年金、介護保険)の恩恵が大きいので、それである程度はまかなうことが出来るからです。

また、親の介護をする時期というのは、私達が子育てをする時期と重なりがちになります。

教育費という大きな負担を抱えているのに、介護費用まで捻出する余裕がある人はなかなかいませんからね。

 

そして実際の介護費用ですが、生命保険文化センターが行った調査によると、過去3年間に介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均59.1カ月(4年11カ月)になります。

また、介護費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均80万円、月々の費用が平均7.9万円となっています。

 

このデータから考えると、介護費用の平均額は約550万円にもなります。

しかし、このデータにはかなりばらつきがあります

必ずしも平均額通りの金額を払うことになるとは限らないので、550万円という額は目安として考えてください。

 

 

介護費用の負担は公的介護保険制度で軽くできる

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私達の親世代の人も、老後の生活を年金だけでまかなうのは厳しいのが現状です。

満足な生活を送るために、個々の貯金などから生活費を追加で捻出しなくてはいけません。

それに加えて介護費用も払うとなると、負担はとても大きいものになります。

 

その負担を軽くするために、公的介護保険制度を利用しましょう。

利用の手順などは住んでいる市区町村のHPなどで確認できます。

 

手順の中で介護費用の負担減のために重要なのが、介護認定を受けることです。

認定は要支援1・2から要介護1~5までの7段階および非該当に分かれています。

要支援、要介護に認定されると、公的な介護サービスを1割負担で使用することができます。

ただし、介護度によって支給額の限度があるので、際限なく利用できるわけではありません。

公的な介護サービスとして、以下のものが挙げられます。

 

  • 自宅で生活しながら受けるサービス
  • 施設などを利用して受けるサービス
  • 介護の環境を整えるためのサービス
  • 施設に入所して受けるサービス

 

ここで注意したいのが、所得の額によって自己負担額が2割になることです。

65歳以上の人(第1号被保険者)で合計所得金額が160万円以上(年金収入に換算すると280万円以上)の人は2割負担になると決まっています。

 

年金収入が少ない場合でも、介護保険サービスを利用する場合「高額介護サービス費制度」で自己負担額が抑えられるなど、公的なサポートもあります。

 

まずは公的制度をしっかり利用し、私達は無理のない範囲でサポートをする、という形にしていきたいものです。

 

 

施設の利用を検討すべし

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「費用」の次に介護不安として考えられるのが「負担」

「負担」とは精神的・肉体的・時間的負担のことです。

 

これが大きくなると、介護疲れ介護うつ最悪の場合、介護殺人なんて事態に発展する恐れもあります。

介護疲れだけでなく貧困のため将来悲観し親を殺害する例も

 

それを防ぐために、早い時期から介護施設の利用を検討してみましょう。

 

施設を利用すれば、私達の負担はかなり少なくなります。

子供の世話になるより気が楽という人も多いですし、施設でプロのサービスを受けるほうが満足な生活を送れます。

施設に入ることに抵抗がある人は、ショートステイやデイサービスといったサービスを試しに利用してみるのがオススメです。

自宅とは違う環境に刺激を感じられますし、施設の雰囲気を知ることで考えが変わるかもしれません。

 

このように、施設の利用は私達にとっても親にとってもメリットがあります。

ですが、やはり気になるのは費用です。

 

介護施設には大きく分けて公的なものと民間のものがあり、どちらを選ぶかで費用が大きく違ってきます。

 

公的なもの

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健
  • 介護療養型医療施設(療養病床)
  • ケアハウス(軽費老人ホーム)

 

民間のもの

  • 有料老人ホーム(介護付、住宅型、健康型)
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム

 

費用は民間のものが高く、公的なものは安い傾向にあります。

具体的な費用は、民間施設では入居金が0~1億円、月額利用料5~40万円、公的施設では入居金が0~数百万円、月額利用料7~20万円とかなり幅があります。

 

施設にかかる費用は利用したいサービス、入居期間、親の年齢・健康状態などで大きく違ってきます。

ですので、施設の利用は早い時期から検討し、計画を立てておくのが望ましいのです。

 

 

介護と仕事を両立させるには

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介護を理由に退職することを「介護離職」といいます。

日本での介護離職者は年間約10万人と言われています。

介護離職をしてしまうと、収入が減り、社会との繋がりが途切れ、孤立する可能性が高まります。

特に、社会との繋がりが途切れるのは介護うつの原因になることもあり、出来れば避けたいところです。

 

介護と仕事を両立させるためには、他の人との協力が不可欠です。

家族や兄弟がいれば、話し合って役割分担をする。

そういった人がいなければケアマネージャーと相談するのがいいでしょう。

 

また、政府の定めた支援制度の利用も検討しましょう。

会社に介護休業を申請すれば、93日を上限として長期休暇を取得することができます(ただし、入社後一年が経過してはじめて申請できるので、入社から一年未満の方は、申請できません)。

介護休暇を申請すれば、対象家族1人につき年に5日、2人以上であれば年に10日まで1日単位で休暇を取得することができます。

それ以外にも、会社に事情を説明すれば、短時間勤務や転勤に対する配慮をしてもらうこともできます。

 

介護のことを人や会社に話すのは気が引ける、と言う方は多いでしょう。

しかし、自分のキャリア形成や収入の確保という面からも、利用できる制度は利用するといった考えは必要です。

 

 

まとめ

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調べた結果、

 

介護費用は親のお金から出し、不足分を自分達が補うのが基本であること。

精神的・肉体的・時間的負担を減らすために施設の利用を検討すること。

介護と仕事を両立させるために、自分以外の家族、地域の相談員、政府の制度、公的サポートを頼るのが望ましいこと。

 

がわかりました。

 

「親の介護」はされる側の親だけでなく、する側の私達の人生にも関わってくる重要な事態です。

ですので、「親のことだから親に任せる」ではなく、むしろ私達が主動的に動くと考えるのがいいでしょう。

 

また、今回「親の介護」について調べた際に目にした、とても心に響いた言葉を紹介したいと思います。

 

「自分で自分の世話が出来ることが『健康寿命』である。健康でいることは自身の尊厳を保つことにもつながる」

 

人間は頭と体を使わなくなると途端に衰えていきます。

 

実際、私の亡くなった祖父もそうでした。

私の祖父は歳をとってからも毎日畑仕事をし、新聞を読み、歳を感じさせないほどに元気な老人でした。

しかし、病気で寝たきりになると、体はあっという間に衰えてリハビリも出来なくなっていきました。

次第に現実と妄想の区別も出来なくなり、ついには私のこともわからなくなって、そのまま亡くなりました。

 

親にはこんな悲惨な最期を遂げさせたくありませんし、自分もこんな最後を看取りたくありません。

そのためには、親に自立してもらい、健康でいさせるようにすることが大事です。

 

親も私達も「ただ生きるのではなく、楽しく暮らす」ことを目指していきたいものですね。

 

 

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コメントは4件です

  1. miiko より:

    こんばんは、ランキングからお邪魔しました。
    うちも、旦那のお母さんの認知症がすすみ
    私の会社を辞めました。
    これから、ネットビジネスをがんばろうって思います。
    とても参考になりました。
    ありがとうございます。

    • たちばな より:

      コメントありがとうございます。親の介護は子供である私達の人生にも関わってきます。会社を辞めることになったとしても、その後の自分の身の振り方を定められるように、早いうちから考えておきたいですね。

  2. いずてん より:

    介護は、ここ数年急激に身近になった気がします。
    周りが介護関係に携わっていたり、実際に施設を利用されたり、など。。
    私も、いつ何時、自身の親の介護をするかが分からない年齢になっているので、非常に気になるテーマでした。
    情報ありがとうございました。

    • たちばな より:

      コメントありがとうございます。親の介護について考えることは自分の老後のことを考えることにも繋がります。そのためにも日頃から情報収集をしておきたいものですね。

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